通関士試験の勉強の順番はどのようにしたらよいでしょうか?
正当派の勉強の順番と、勉強が苦手で挫折しがちな人向けの順番をそれぞれ紹介します。
通関士試験 勉強の順番 正統派
関税法から始める
ストイックでコツコツ勉強できるという人は正統派のやり方をお勧めします。
まず学ぶ内容が多い関税法から始めましょう。
関税法はテキストの読み込みが必要です。
過去問に出たことのない問題が毎年出題されるので、過去問の暗記しているだけでなく、テキストの内容をしっかり理解していないと合格できません。
まずテキストや通信講座の動画講義を聞く、問題演習をする、さらにテキストを読んで動画講義を視聴するのを何度も繰り返し、定着させる必要があります。
このように習得に時間がかかる科目ですから、まず関税法から手をつけるのがよいでしょう。
次は通関実務
正当派の勉強の仕方で関税法の次に勉強をするのは通関実務です。
以前は通関士試験の科目の中では通関実務が一番難しいと言われていましたが、ここ数年は素直な問題が多く、勉強していれば解けるようになりました。
ただ通関実務は申告書問題、計算問題、品目分類、原産地規則、知識問題等いろいろなジャンルの問題があるので、一通り勉強するのに時間がかかります。
電卓をたたいて解くタイプの問題が多く、これは通勤時間等の隙間時間を使って勉強することはできません。
机に座ってまとまった時間がないと勉強できないのです。
特に申告書問題を始めて解くときは気力と覚悟がいります。
輸入申告書問題の勉強の進め方
また暗記の占める割合が低い点でも早い段階から始めるのがよいでしょう。
最後に通関業法
正当派の勉強の進め方で、試験が近づいてから開始しても問題ないのが通関業法です。
通関業法は範囲も狭く、また毎年同じような問題が出題されるので、テキストを一通り読んだ後は、過去問を繰り返せば合格点が取れてしまいます。
数年受験している受験生でも、昨年は通関業法だけは合格点が取れていたという人が多いです。
そして100%暗記問題なので、早いうちから勉強を始めても、試験直前には忘れてしまっていて、覚え直しの時間がもったいない。
先に関税法と通関実務を勉強しておいて、通関業法は試験が近づいてから勉強する、というのが効率の良い方法です。
通関士試験 勉強の順番 メンタル重視
さてここまでが、効率のよい勉強方法でした。
しかし勉強というのは効率だけではなくモチベーションの維持が大切です。
勉強きついなあ! 受かる気がしない……と思っている人が、通関士のような、本格的な国家資格の勉強のモチベーションを保つのは大変です。
そこで効率という点では劣りますが、次のような勉強方法も悪くないでしょう。
まず通関業法を勉強する
通関業法は範囲も狭く同じ問題が繰り返し出題されます。
つまりちょっと勉強すればすぐに合格点が取れるようになるのです。
そこで受かる気がしない……という人は、まず通関業法を合格点が取れる程度まで勉強して、通関士試験に対するモチベーションを上げるのも悪くないでしょう。
通関業法はある程度勉強したら、早めに一度過去問を通して解いて採点してみましょう。
通関士試験は6割取れれば合格ですので、自分ではまだ全然できていないと思っていても意外と合格点が取れたりします。
本当は関税法から勉強した方が効率という点ではよいのですが、関税法は勉強しても勉強してもなかなか合格点が取れない科目ですので、関税法から始めると通関士試験受験への意志が固まる前に挫折してしまいがちです。
勉強が軌道に乗るまでに自分のモチベーションが持つかどうかが心配、という人はまず通関業法から始めてみてはいかがでしょうか?
楽しく品目分類を学ぶ
通関士試験の中で挫折しにくいのは品目分類です。
関税法や通関業法の長くて入り組んだ文章に比べて、1類 生きている動物。2類 肉、食用のくず肉(臓器を含む)と単語ですから、嫌になりにくいです。
品目分類に関してはおすすめ動画がありますので、こちらの記事をご参照ください。
品目分類の勉強の救世主動画あらわる!!
また品目分類が覚えられるイラスト入りのカードもあります。
統計品目カード 貨物分類が得意になります
正当派の勉強に比べると効率は落ちますが、上記のように勉強しやすい科目から勉強するのも手です。
人間は一度始めたことは続けやすいという特性がありますので、このように勉強しやすい科目から始めていけば、関税法や申告書問題等の勉強が大変な科目も腹をくくって勉強できるようになるでしょう。
正答派の勉強に比べて効率は落ちるので合格まで数年かかってしまうかもしれませんが、通関士は一生ものの資格ですので挫折しない方法で少しずつ勉強するのもよいと思います。