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片山立志著『どこでもできる通関士 選択式徹底対策』【通関士試験独学用テキスト】

片山立志著『どこでもできる通関士 選択式徹底対策』通関士試験独学用テキスト、参考書

片山立志著『どこでもできる通関士 選択式徹底対策』について

はじめに

『どこでもできる通関士 選択式徹底対策』は通関士試験受験対策教育の第一人者片山立志先生著の問題集です。

関税法63題、通関業法17題の計80題の穴埋め式問題が収録されています。
(私が使用した2021から2022年度版の場合)
大量の穴埋め問題が勉強でき、関税法と通関業法の記憶定着にとても有効です。

問題は下記のように穴埋め式になっています。

【問題部分】
1  輸入の許可後にした修正申告に係る関税は、( イ )までに納付しなければならない。
2  賦課課税方式が適用される郵便物に係る関税については、当該郵便物につき関税法第63条
第 1 項又は第77条第 6 項の承認を受けた場合を除き、( ロ )に、当該関税を納付し、又
は当該関税の納付を日本郵便株式会社若しくは納付受託者に委託しなければならない。
3  関税法第 9 条の 2 第 2 項(納期限の延長)の規定により、貨物を輸入しようとする者が、
特定月において輸入しようとする貨物に課されるべき関税の納期限に関し、( ハ )までに
その延長を受けたい旨の申請書を当該貨物に係る関税の納税申告をする税関長に提出し、か
つ、当該貨物に係る関税額の合計額に相当する額の担保を当該税関長に提供したときは、当
該税関長は、特定月においてその者が輸入する貨物に係る関税については、特定月における
関税額の累計額が当該提供された担保の額を超えない範囲内において、その納期限を( ニ )
以内に限り延長することができる。
4  財務大臣は、災害その他やむを得ない理由により、関税に関する法律に基づく納付等の行
為に関する期限までに当該行為をすべき者であって当該期限までに当該行為のうち関税に関
する法律等の規定により電子情報処理組織(NACCS)を使用して行う特定の行為をするこ
とができないと認める者が多数に上ると認める場合には、( ホ )及び期日を指定して当
該期限を延長するものとされている。

【解答部分】
イ 当該修正申告をした日
ロ 当該郵便物を受け取る前
ハ 特定月の前月末日
二 特定月の末日の翌日から 3 月
ホ 対象者の範囲

第 56 回通関士試験 関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び
外国為替及び外国貿易法(第 6 章に係る部分に限る。)第2問

テキストを転載するのは著作権法上問題があるので似たような通関士試験の過去問題を掲載しています。

『どこでもできる通関士 選択式徹底対策』に実際に掲載されている穴埋め式問題の文章は上記の2倍ぐらいの長さで、また空欄部分も10数か所から20数か所とボリュームたっぷりです。

また実際の通関士試験の問題は選択肢のワードが掲載されており、そこから選ぶ形になっていますが『どこでもできる通関士 選択式徹底対策』はそれがなく、自分で一から言葉を考えなくてはなりません。

使い方

『どこでもできる通関士 選択式徹底対策』はコンパクトで持ち運びに便利なサイズです。
そのまま使用している人も多いようですが、私はそのままでは使いづらいと思いました。

見開きで右側のページに問題部分があり、めくって次のページが解答となっています。

一つの文章の20個近くある問題をすべて解き終わってから確認するのならそれほど不便ではありませんが、勉強を始めて間もない段階ではほとんどわからないので1問ずつ問題を確認したいところです。
20問近くのほぼわからない問題を解き続けるのは、心理的にキツイです。

そこで、1問ずつページをめくって解答をたしかめるとなると、1つの文につき20回近くページをめくらなければならず、使いづらいと思いました。
めくった時に下の方に書いてある次の問題の解答が目に入ってしまうのも嫌です。

そこで私は同じ書籍を3冊買って、2冊を分解し、ノートの見開きの、左に問題、右に解答ページを貼った暗記用ノートを作成しました。
こうすると一語ずつ解答が確認しやすくなります。

下記の画像のようなノートを作成しました。

ちなみに使用したのはA5のノートです。
これぐらいのサイズだと持ち運びやすく、かつある程度余裕をもって分解した本のページを貼ることができ余白に書き込み等ができてちょうどよいです。

勉強方法は右の解答部分を紙で隠して、自分で答えを出してから紙をずらして正答できたかどうか確認します。
正答できたら問題部分に印をつけて、それぞれの空欄部分の穴埋めが4回通りずつ解答できたら次に進みます。

関税法の勉強におすすめ

関税法と通関業法両方ありますが、特に関税法の勉強におすすめです。
関税法は範囲が広く問われる内容も深いため、過去問演習だけでは合格点に到達しませんので、この教材も併せて勉強し記憶を定着させるべきでしょう。

通関業法は過去問だけでも合格点に到達できると思いますが、せっかくテキスト分解という面倒な作業をするわけですし、分量も多くないので、時間があるようでしたらついでに通関業法も勉強しておきましょう。

テキスト分解面倒くさくない?

300ページ以上あるので、テキスト分解作業に膨大な時間がかからないか心配な人もいるかもしれません。

私がやってみたところ半日で完了させることができました。
時間がかかっても、1日休日をつぶせばまず完了できますので心配しなくても大丈夫です。

テキストは3冊購入をおすすめします。

1冊は問題部分用、2冊目は解答部分用、3冊目は暗記用ノートを作り終わった後の照合用ならびに書籍として持っておくようです。

高いので1冊のみ購入してコピーで暗記用ノートを作る方法もないことはないですが、おすすめしません。
コピーをする時間や、コピー用紙だと大きすぎるのでコピー用紙を切り取る時間が余分にかかってしまいます。
また300ページ以上あるのでコピー代を考えると本を数冊購入した方が安上がりです。

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