貿易実務検定と通関士試験の違い
貿易実務検定と通関士試験の概要
貿易実務検定と通関士試験は、どちらも国際貿易に関する資格試験ですが、それぞれ異なる特徴があります。
貿易実務検定は、マウンハーフジャパンが主催する貿易実務に関する知識や貿易実務に必要な英語力を問う民間資格であり、通関士試験は通関手続きを代行する通関士の資格を得るための財務省が管轄している国家資格です。
貿易実務検定がビジネス英語を含め、貿易に関する幅広い知識を問うのに対して、通関士試験の内容は通関に関する法律や知識に特化しています。
試験内容の違いとそれぞれの特徴
貿易実務検定は、国際貿易におけ幅広い知識を問う試験であり、貿易に関するカネ、モノ、書類の流れという、国際取引の基本、貿易英語、貿易書類の作成方法などに焦点を当てています。
一方、通関士試験は、通関に関する法律や関税、輸入品の品目分類、課税価格の計算方法等が試験範囲です。
貿易実務検定と通関士の試験の難易度や合格率の比較
貿易実務検定は難易度によってA級、B級、C級と別れていて一番簡単なのはC級です。
B級とC級は通関士試験に比べて一般的に難易度が低く、合格率も高い傾向があります。
特にC級はかなりやさしい試験で、テキスト2冊ぐらいを読みこめば3か月ぐらいで合格できる資格です。
B級、C級とも年に数回試験があるので、年に1回しか受験できない通関士よりも合格しやすいです。
一方貿易実務検定A級は難易度もあまり通関士と変わらないと言われています。
試験も通関士と同じく年に1回のみです。
ただ通関士よりも過去問から出題される率が高いのと、英語力が高い人はそこまで対策しなくても点が取れます。
一方貿易実務検定A級は英語力が低い人にとっては通関士より難しく感じるかもしれません。
貿易実務検定A級は試験教材が少なく、ほぼ開催元のマウンハーフジャパンが出しているものしかありません。
試験対策がしにくいので、貿易実務の未経験者には教材が豊富な通関士試験のほうがチャレンジしやすいでしょう。
合格に向けた準備を始めよう
通関士試験と貿易実務検定の勉強方法の比較
通関士試験の場合、3教科のうちの2教科は法律にや制度に関して問う問題になります。
法律の知識がないと問題文からして難しく感じるのでコツコツと慣れていく必要があります。
3教科のうちの1教科「通関実務」は計算問題が中心となります。
こちらは問題演習が合格に直結しますので、机に座って電卓を叩く時間を十分に取ることが必要です。
通関士試験はさまざまな教材が出ていますので、それほど勉強方法に悩むことはないでしょう。
貿易実務検定は、国際貿易の基礎知識や実務的なスキルを身に付けることがポイントです。
通関士試験に比べると難易度は低くても教材が少ない(上の級になるほどその傾向が高い)のがネックです。
通関士試験よりも実務に直結しているので実務経験者や実務に携わる方が有利です。
博士
合格へのアプローチと勉強のスケジュール設定
通関士試験を目指す場合は、通関業法や関連する法令の学習を重点的におこない、過去問題を解くことで理解を深めることが大切です。
模擬試験を行い、弱点を克服するために効果的な学習計画を立てましょう。
一方、貿易実務検定を目指す場合は、開催元のマウンハーフジャパンの出している教材や開催している講座を受けることが合格の近道です。
B級まででしたら未経験者でもマウンハーフジャパン書籍やオンラインコースを利用して基礎知識を習得し、過去問題を解くことで実践的なスキルを養いましょう。
犬くん
僕は貿易実務検定B級取得にも通関士試験合格と同じぐらい時間がかかってしまったよ。
教材代をケチって、本屋さんで売っているテキストだけで対策したためだと思う。
マウンハーフジャパンや他の資格学校が主催している通信講座やイーラーニング、通学講座を利用していればもっとはやく合格できたと後悔してるよ。
貿易実務検定 通関士 どっちが先? 適切な選択をするためのポイント
自分のキャリア目標と現状を考慮する
自分のキャリア目標や現在のスキルセットを考慮して、貿易実務検定と通関士試験のどちらを先に受験するかを検討しましょう。通関士試験は通関業務に特化した資格であり、通関業界でのキャリアを目指す方に適しています。
一方、貿易実務検定は貿易に関する職種でしたら幅広い職種で活躍するための基礎知識を身に付けることができるため、国際ビジネスや貿易に興味がある方でしたらどなたでも適しています。
貿易実務検定と通関士のキャリアパスと将来性を比較する
貿易実務検定と通関士試験の受験後のキャリアパスや将来性を比較し、自身の目指すキャリアとの整合性を考えましょう。
通関士は通関業務に関する専門知識を持つことが求められますが、貿易実務検定を取得することで国際貿易における幅広い業務に携わることができます。
将来的なキャリアの展望や興味関心に基づいて、適切な資格取得のタイミングを選択しましょう。
通関士試験と貿易実務検定、どちらから勉強を始めるべきか
通関士試験と貿易実務検定のどちらから勉強を始めるかは、自身のキャリア目標や学習スタイルによって異なります。
自身のキャリア目標によって決める
通関士試験は法律や制度に関する知識が重視されるため、法律に強い興味や通関業界でのキャリアを目指す場合は、通関士試験から勉強を始めることが適しています。
一方、国際貿易に興味があり、幅広い業界で活躍したい場合は、貿易実務検定®から勉強を始めることを検討しましょう。
また就職や転職の際に決め手になるのは通関士試験なので、資格取得で人生を変えたいという人は通関士試験の勉強を始めましょう。
自身の学習スタイルによって決める
勉強時間が取れない人や、勉強が苦手な人がモチベーション維持を考えると貿易実務検定から始めるのがおすすめです。
通関士試験は年に1回しか試験がなく、難易度も高いため何年も勉強しているのに、いまだ一つも資格を取得できていないということもありえます。
一方貿易実務検定はC級B級なら通関士よりも簡単で、年に数回受けられます。
また通関士試験も貿易実務検定C級B級の知識があれば、入りやすいので、貿易実務検定C級B級からステップアップして通関士試験の勉強をすれば挫折しにくいです。
(モチベーション維持に自信があれば、いきなり通関士試験を受けてもとくにかまいません、その方が効率はいいでしょう)
Q&A
カッパくん
博士
A: 貿易実務検定はA級、B級、C級と3段階あり難易度は、それぞれ異なります。
B級、C級は貿易実務検定のほうが通関士試験より難易度が低く、A級はそれほど変わりません。
試験内容は全く違うのでC級はともかくB級以上は比較が難しいところもあります。
貿易実務検定B級以降は英語が多くを占めるので、英語が得意かによっても合格しやすさは大きく違います。
また貿易実務検定は教材や勉強方法に関する情報がとぼしいので、情報の集め方が悪いと通関士よりも合格に時間がかかってしまうかもしれません。
カッパくん
博士
採用の決め手になるかどうかでいえば通関士試験が有利でしょう。
ただ貿易実務検定も有名な資格ですので、取得していれば、評価はされるでしょう。
特に貿易実務未経験者がC級を取得して貿易事務の職種につくことが多いようです。
B級A級を取得していれば高レベルの貿易実務の知識を持っているとみなされるでしょう。
まとめ
通関士試験を先に受けるべき人
- 通関業者で働きたいことが決まっている人、すでに働いている人。
- 通関士資格を早く取得して転職や就職をしたい人。
- 難関資格を取得するまで勉強を続ける自信がある人。
貿易実務検定を先に受けるべき人
- 通関士試験は難しすぎて合格までモチベーションが続くかどうか心配な人。
- 貿易に関する業務につきたいけれど具体的に何をしたいかまでは決まっていない人。
- なんとなく貿易に興味がある人。
- 輸出入に関する仕事をしているので、貿易の知識を身に着けたい人。