通関ビジネス実務検定のすすめ
通関士試験は長い道のり、途中で挫折しないか心配。
また年に一回しかないのでその年の試験に合格しなければ、来年まで受けられない。
合格するまで通関士試験の勉強をいくら頑張っても履歴書に書けない。
プレッシャーが大きすぎますね。
そう思っている人に、通関士試験に向けてのマイルストーンや、不合格だったときの保険の試験として『通関ビジネス実務検定』をおすすめします。
通関ビジネス実務検定とは
通関ビジネス実務検定は貿易実務検定で有名なマウンハーフジャパンが実施する検定試験です。
2021年の12月に始まったばかりの試験で、まだ、あまり知名度はありませんが、通関士試験受験生が受けるのにぴったりの試験です。
通関ビジネス実務検定はいまの時点ではC級のみ実施されています。
けれども公式ホームページでB級についても言及されていますし、C級、B級があるということは、いずれA級もできるでしょう。
通関ビジネス実務検定C級の内容について
それでは今開催されているC級の内容について解説していきたいと思います。
通関ビジネス実務検定は、第1科目目「通関関連法務及び通関関連実務」、第2科目目「通関関連知識、通関地理及び通関実務計算」の計2科目からなります。
試験内容は通関士試験の範囲と7ー8割同じでかつ、通関士試験を易しくした内容です。
どれぐらい通関士試験と内容がかぶっているのかは下記に説明します。
第1科目目「通関関連法務及び通関関連実務」
計65題、150点 すべて通関士試験の出題範囲内の問題です。
第2科目目「通関関連知識、通関地理及び通関実務計算」
計35題、50点のうち5題(10点)が通関士試験の範囲内の問題。
いくつか通関士試験の範囲外の問題もあるので下記に内訳を書きます。
- 問題1 20題(20点)――――通関士試験の範囲外
- 問題2 10題(20点)――――通関士試験の範囲外
- 問題3 5題(10点)――――通関士試験の範囲内
以上のように「通関ビジネス実務検定」は問題数で言うと、7割、配点でいうと、8割が通関士試験と同じ。
大部分通関士試験と内容がかぶっている試験ですから、通関士試験の予備試験、マイルストーンに最適です。
ちなみに通関士試験の範囲外の問題も国際物流業務に関わっている方には、勉強しておくと有益な知識ばかりです。
勉強して損はないので安心して勉強しましょう。
貿易実務検定と重複している部分も多いです。
通関ビジネス実務検定の勉強方法
私が実際に受験して合格したので勉強方法についてお話したいと思います。
テキストの熟読
まずは下記のテキストを何度も読んで覚えましょう。私は5回読みました。
試験勉強だけでなく、実務にも役に立つテキストで、私は仕事中もたびたびお世話になりました。
公式ガイド 通関ビジネス実務検定(TM) 要点整理&練習問題
チェックテストを繰り返し説く。
上記の公式ガイドの各単元にチェックテストがついています。
私はこれも5回通り解きました。
間違えたらしっかり解説を読んで理解します。
巻末の模試
公式ガイドの巻末に模擬試験一回分がついています。
これを解いて間違えた問題を繰り返し解きました。
過去問の勉強
前回不合格でしたが、試験終了後、問題と解答を入手できたので、公式ガイドの巻末模試と同様、間違えた問題を繰り返し解きました。
特別集中講座
試験の3週間ぐらい前に、「特別集中講座」というマウンハーフジャパン代表の片山立志先生の講義がWEB上で開催されます。
開始日から試験直前までいつでも好きな時間に見られるWEB動画講座です。
3週間の期間限定で受講料:16,500円(税込)というと高く感じてしまいますが、私はこれは受講することをオススメします。
片山先生の講義はとても分かりやすいです。
受講前にテキストを何度も繰り返し読んでいた私にも新しい発見がありました。
それに特に重要な部分を教えてくれますので、早く合格したいならお金を惜しまずに受講しましょう。
受講料:16,500円(税込)は高い、もったいないと思うかもしれませんが、なかなか受からずにいるぐらいなら思いきって買ってしまいましょう。
私はこの講義を全部で3回通り聞いています。
受講すると受講者専用ページからテキストには書いていなかった内容のレジュメをダウンロードできたので、それも何度も読みました。
またWEB講義の中で、重要ポイントも教えてくれるのでそこを重点的に勉強しなおしました。
空港コード、都市コードの暗記
第1回試験の直前に公式ガイドに無い試験範囲として、空港コード都市コードが追加されたとのお知らせがありましたのでこれもしっかり勉強しました。
通関ビジネス実務検定は、合格のためには8割点数を取る必要があります。
こういうのを無視して合格できるような試験ではないです。
フォーサイトの通関士講座のチェックテスト、確認テストを繰り返し解く。
フォーサイトの通関士講座のチェックテスト、確認テストを繰り返し解いたことも合格に役にたったと思います。
通関業法については全体から出て、関税法についてはフォーサイトの範囲でいうと関税法Aからの出題がメインでした。
フォーサイト通関士講座についてはこちらの記事をご参照ください
通関ビジネス実務検定の難易度はどれくらい? 簡単に受かる試験ではない
私は上記のように、かなりがっつり勉強してやっと受かることができました。
通関ビジネス実務検定の合格基準は、公式ガイドによると8割得点できていることです。
どんな試験でも8割取るというのは、試験範囲をもれなくしっかり勉強しないと、取れない点数です。
公式ガイドによると「2科目の合計160点(80%)以上を基準として試験委員長の定める点」とのことでした。
結構難易度の高い試験なので、試験委員長が受験者全体の解答状況を見て、合格点を下げてくれるのでは?と期待してしまいますが、それは甘い。
通関ビジネス実務検定はまだ知名度があまりないためか、本当の初学者は少なく、通関士試験受験者が数多く受験しているらしく、受験生全体のレベルが高そうです。
合格点を8割より下方に調整する、ということはあまりないのではないでしょうか?
C級というと簡単そうですが、通関ビジネス実務検定はC級にしては結構難易度の高い試験ですので、しっかり勉強しましょう。
私は「貿易実務検定 C級」も持っており、その時はテキスト2冊を数回読んだだけでした。模擬試験や過去問を解いてなかったり、試験範囲の中で勉強していない箇所があったのに、合格することができました。
だから「通関ビジネス実務検定 C級」も同じくC級ということで軽くみていたのですが、それで一度目の受験では不合格でした。
心を入れ替えて勉強して2回目で合格することができました。
「通関ビジネス実務検定 C級」はC級の試験にしては難易度の高い試験ですので、心して勉強したほうがよいです。
試験範囲をもれなく勉強し、お知らせで試験範囲の追加があったら、それももれなく勉強します。
また片山先生の講義はお金を惜しまずに受講することをお勧めします。
手に入る教材すべて入手してもれなく勉強することを推奨します。
この記事のまとめ
通関ビジネス実務検定は、通関士試験と7ー8割、試験範囲がかぶる試験。
試験対策することによって、通関士試験の基礎をばっちり身に着けることができます。
合格のポイントはC級だといって気を抜かずに、まじめに勉強する。
入手できる教材をすべて入手してもれなく勉強することでしょう。